公正証書を作成することにより給与差し押さえ等の強制執行ができることがあります。公正証書とは、養育費などの離婚協議書、遺言書等の契約に関して公証役場への手数料の費用を要して作成する文書です。委任状・必要書類を持参して代理人でも作成可能です。
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公正証書を作成することによって、給与差し押さえなどの強制執行をすることができる場合があります。 ただし、すべての公正証書の場合において、強制執行ができるというわけではありません。 公正証書とは、一般の方にはなじみがないかもしれませんが、簡単にいいますと、契約などに関して公証人が作成する書類です。 公正証書を作成するところ、つまり、公証人が執務している場所を、公証役場、または、公証人役場といいます。 役場と名前は付いてはおりますが、市役所や町役場とは異なって全ての市町村にあるというわけではありません。
主な公正証書として、遺言書、定期借地契約、金銭消費貸借契約、離婚給付契約、売買契約などの契約文書がありますが、すべての公正証書が強制執行できるということではなく、金銭の給付を目的とし、かつ、強制執行認諾条項が記載されている場合に限ります。 強制執行認諾条項とは、「約束をした金銭を支払わなければ強制執行されてもかまいません。」という条項で、公正証書の書き方のサンプルとしては「第○条 甲は本契約に定める金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する旨陳述した。」という記載がなされています。 したがいまして、たとえば、離婚給付契約公正証書のなかで、離婚に伴う財産分与として不動産を譲渡するという取り決めが記載されていてもその約束を守らなかった場合では、公正証書の手続きだけでは強制執行することはできず、裁判所で判決などをとる手続きが必要となります。 財産分与が金銭である場合や、慰謝料、養育費などは、支払いがされない場合は給与差し押さえ等の強制執行が可能です。
債務者の給与などの財産に対して、強制執行ができるのは、「債務名義」と呼ばれる文書があるためで、上記の公正証書は、この債務名義のひとつに該当します。 そして、強制執行認諾約款付きの公正証書である「債務名義」に「執行文」を付与してもらい、債務者に債務名義の「送達」という手続きをすることによって強制執行が可能となります。 送達は、強制執行をするときのほか、事前に手続きすることもできますので、公正証書を作成する際に、送達しておくケースもあります。 この債務者に公証役場で送達することを「交付送達」といい、委任状を持参した代理人によって公正証書を作成した場合は交付送達をすることはできません。 公正証書を送達する方法としては、ほかには、特別送達、公示送達、執行官による送達、郵便による送達があります。
金銭に関する契約書を公正証書にして強制執行認諾約款を付けさえすれば、『100%金銭を支払ってもらえる、これで安心』というわけでは必ずしもありません。 債務者に財産が全くないような場合では、いくら強制執行認諾条項付きの公正証書を作成しても強制執行で金銭を支払ってもらうことができないことも考えられます。 例えば、相手が無職で給与をもらっていない場合、給与差し押さえはできないということなります。 つまり、無いものからは取れないということで、こういった意味では公正証書も完ぺきとはいえませんので注意が必要です。